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オレンジ色の花

​秋波

​Wink

シャワーも浴びたくないほど
消耗した手足
ゆりかごで解いて
もうどうでもいいや

「一等星は南のうお座」
今更、すり減った道徳が
変なステップでただ踊っている

忘れたいという名の体で
忘れたことまで染み込ませる

許せないこと恨み続けて
許せないほどに時間が止まる

あなたが私の強さを
決めた瞬間と同じね

泣かないで居られたのは
あなたのその限りを
目を見て聴いていたかったから

 

案外簡単に消えたくなる命
往々にして消えない
口惜しいことだけ妙に鮮やか

金木犀が空気を染めた
殊更、詰め込んだ約束も
全部空っぽにしたくなっている

相容れない他人なんて
愛せるまで放っておいていいかな

飴玉よろしくとけて
へばり付いたのは
邪(よこしま)な気持ちなんてなかったような
遠退くほど優しくなる過去

泣かないで居られたのは
あなたのその限りを
目を見て聴いていたかったから

 

「一等星は南のうお座」

金木犀が空気を染めた

白紙ページ: 概要
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